空から雨が降る日。【完】
「…これ、って」
「お察しの通り。空雨からだよ」
「なんで晴太が…っ」
「いいから。読めば?」
晴太はそう言うと冷蔵庫からペットボトルを取り出し、飲む。
私は、恐る恐る、その白い封筒に手をかけた。
そして、ゆっくりと開いたその紙に書かれた文字を見て胸が跳ね上がった。
『雫へ
きっとこれをお前が読んでいるってことは俺はもうこの世にはいなくて、晴太と再会してるってことかな。
えーっと。書きたいことがたくさんあるんだけど。
まあまずは、恥ずかしいな手紙って(笑) 』
その文字に、ふふっと少しだけ笑みが零れる。