空から雨が降る日。【完】
『今さっきまでお前がいた病室でお前に手紙を書くってなんか変な感じ。
だけど書いておかないと、きっと俺は後悔するから。
いや、お前も。前に進めねえと思うから。しっかりと書きます。
笑わないで、読めよ。雫。』
一枚目、二枚目、とペラペラめくっていく。
『俺がさ、お前に告白した時、お前はビックリしてたな。
まあ、それもそうだよな。
ずっと一緒に育った奴に好きだなんて言われたら誰でも驚く。
俺もお前を好きだって気づいた時はまじかーって驚いたよ。
本当は気持ちを伝えずに…いや、もっと本当は伝えてちゃんと届けたかったんだけど俺には時間が残されていないってわかって焦って言っちまったんだ。
ごめんな、困らせて。
でも俺、後悔は、してない。
雫にきちんと好きだと言えたこと後悔はしてない。
だってそれが俺の生き方だったから。
小さい頃から身体が弱くて、いつなにが起こるかわからない。
だから決めてたんだ。
後悔だけはしないように生きようって。』