空から雨が降る日。【完】
『雫に気持ちを伝えたらお前が困ることもしってたしビックリすることもわかってた。
だけどやめてやるなんて考え、俺にはなくて
お前のこと、雫のことに関しては余裕なんてなかった。
お前知らないだろ。
俺の周りほとんどお前のこと狙ってたんだぞ。
まあ、渡さねえために近づけなかったけどな。』
それを見て思い出すのは、ふと中学校のときのこと。
そう言えばいつからか、空雨は友達と遊ばせてくれなくなったっけ。
私はまた、紙をめくる。
『お前、前に言ったの覚えてる?
雨が好きだって。
あの時俺は嫌いだって答えたけど、本当は嘘。
好きだったよ雨が。
お前といられる時間が、長くなるから。
だけど真っ直ぐに雨が好きだなんてお前が言うから、訂正できなくってさ。
ありがとうな、いつも。俺の傍にいてくれて。
俺を元気づけてくれて。
ほんと、ありがとう』
気付けば頬には涙が伝っていて。
だけど拭くことなんて出来ずに、紙から目を逸らさなかった。