空から雨が降る日。【完】
『っ』
変われたらいいのにね。
そう言った後、見た空雨の顔に私は息を飲んだ。
だってそれは
その顔は…言葉を何も発さずただ笑っていたから。
その空雨の笑顔を見た瞬間、ごめん。そう呟いたんだ。
だからそれ以来、私は言わない。
“変わってあげれたら。”
“健康な身体だったら。”
それは空雨にとって一番聞きたくない言葉だから。…辛い、言葉だから。
握った手をぎゅっと今よりもっと強く、強く握る。
そして大雨の中、願った。
―いなくならないで―
擦れた、か細い声で、そう、願った。