空から雨が降る日。【完】


そう思った時、


「うん。じゃあ弘人って呼んで」

「えっ!?」

「上で呼ばれるのあまり好きじゃないんだ。だから」

「い、いいんですか!?」

「ん?まあ、優子になら」


その言葉で、顔が真っ赤になるのがわかる。


―優子になら―

弘人さん、それは特別だって思ってもいいんですか?


私、もっと、もっと頑張っちゃいますよ?


「じゃあ弘人さん!今夜、一緒にご飯でもどうですか?」

そう言った彼の顔を見ると、凄く優しい顔で笑っていて。


きっと私が前に進み始めるのも、そう遅くはない。

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