空から雨が降る日。【完】



「んー…、おはよ、雫」


素直に、なれなかった。
空雨を裏切るみたいで、恋に落ちたけれど気持ちを伝えることが中々できなかった。

だけど、私は生きてる。
空雨と生きた人生は、もう終わった。だけどそれは私の心の中に残っている、ずっと。

これからは新しい私の人生。
もう、後悔はしたくない。気持ちを隠しておきたくない。


私を守ろうと必死になってくれたあなたがいたから
私は生きてこれた。笑っていられた。

あなたに出会って、変わることができた。前を、見れた。


恋に臆病になった私を必死に手を掴んで引っ張ってくれた。


だから、私も


「晴太、好きだよ」


これからはその手をぎゅっと強く握り返すよ。

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