空から雨が降る日。【完】
一度目は、私たちが高校に入る入学式の日だった。
一生懸命勉強して二人で一緒の高校に入った。
『明日入学式楽しみだね~!』
外は雨が降っていて、いつもの様に部屋で漫画を読んでいる空雨に制服を見せびらかす私。
空雨は何度も見た私の制服に呆れながらもはいはいと返事を返してくれる。
…もう、わかってるんだから。
私よりも空雨の方が楽しみにしていること。
『ねえ、明日雨止むかな』
『どうだろうな。この調子だと雨じゃね』
『えー…やだなあ…折角のスタート日なのに』
新しい生活が始まる日が雨なんて、なんて幸先の悪いスタート。
私ははぁとため息をつく。
『雨だろうと晴れだろうと関係ねぇよ』
『うん…そうだね!やっと高校生だよ~~』
空雨がいるなら、関係ない。