空から雨が降る日。【完】
私は首を傾げながらじっと彼を見つめた。
そして手が離されたと思ったその時、彼の顔が近づいて来て
「今日、昨日の場所で待ってるね」
耳元でそう告げて部屋を出ていく。
…待って、る?
まさか私に昨日の腹いせとしてなにか…
最悪だ、怖い怖すぎる。
だけど昨日してしまったことは事実だし…怒っていたといってやりすぎてしまった。
…謝るしかないかぁ
それに
「有名会社だからな。頑張れよ星埜」
「ありがとうございます」
エレベーターに乗り、事務所に戻る最中上司は笑顔で言う。
きっと私を指名したのは、あの人だ。
あの人は、取引先では有名会社の、お偉いさんだから―…