空から雨が降る日。【完】



「そういうこともできちゃうの、ね…」

ボソッと、呟いた。


「雫―!」

事務所に戻ると、もうお昼で。
優子はお弁当を持って私に駆け寄ってきた。


「優子」

「どうだった?初の担当になって」

「…あはは」

確かにこんな大きな仕事に関われて、担当なんて初めてだし緊張するけど。


「あの人じゃ、なかったらね…」

吾彦晴太、さえいなければよかった。

< 68 / 311 >

この作品をシェア

pagetop