空から雨が降る日。【完】
そして
『お母さん!』
家に着くと勢いよくドアを開けてリビングに入る。
そこにはバタバタと動き回るお母さんの姿があって。
予想は、当たらないで。
その姿に、そう願った。
そしてこっちを向いたお母さんが放った言葉に、私は持っていた鞄を落とした。
ジンジン、する。
持っていた重たい鞄が自分の足の上に落ちた。
だけど痛いなんて言葉は出なくて。痛いなんて感覚すら、なくて。
気付けば腕を引っ張られて強引に車に乗せられていた。