月が綺麗ですね。




ずっと悪夢を見ているような人生だと思った。


失ったものの存在が大きすぎて、生きていることも、死ぬことも、すべてが虚しかった。


お父さんが私に託した「幸せ」という言葉も、わからなかった。

幸せになるって、どうやるんだろう。

私にたくさんの笑顔をくれたお父さんもお母さんも居ない、幸せなんて、どこにあるの。


もっと始めから、笑えば良かったのかな。

前向きにはなれなくても、笑顔の思い出を、もっと作っておけば良かったのかな。


ねぇ、お父さんお母さん、幸せって、何だろうね。


毎日、太陽が東から顔を出して、西の地平線に潜っていくのを見ながら考え続けても分からなかった。


それでも当たり前に日々は過ぎていく。


私にとっては虚しい日々でも、世界は当たり前に回っていくし、葬式で涙を流して両親を悼んだ人たちも、変わらない日々を送っている。


私だけが取り残されているみたいだった。


両親も、世界も、私を、、











―――――……置いていかないで、





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