月が綺麗ですね。



一目惚れなんて初めてだった。


好きな人を見るだけで、こんなに楽しくて、こんなに胸が高鳴るなんて、知らなかった。

今までと全然違う。

だからなのかもしれない、私にしては告白するまで時間がかかった。

そう、いつも『猪突猛進』『超楽観的』『興味津々』だったのに。

それが、あんなヤツに乱されてるなんて。


「………ムカつく」


どんな素敵な人かと思ったら…あんなサイテー野郎だったなんて……許せん。

さぁ、私のときめきを返してもらおうか…!!


シャーペンを握り、心を決めた。


"面白い"なんて、ヤツの主観だ、そんなもの、知らん!!


そして一瞬で書き上げた。

ニヤリとほくそ笑む。


明日が楽しみ。


「環那ぁ~!!ご飯~!!」

「はぁーい!!今行く!!!」


腹が減っては戦は出来ぬ…明日に備えて、今日はたくさん食べて、たくさん寝るぞぉ!!


討ち入り前の武士のように、ご飯をかきこんだ。





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