月が綺麗ですね。
上弦の月
ラブレター
―――翌日。
2日連続で、下駄箱に手紙を入れることになろうとは、思いもしなかった。
不幸中の幸いは、私の下駄箱と近いこと。
隣のクラスは下駄箱も隣り合う。
振り返ればすぐ。
昨日以上に、心拍数が上がっている。
たぶん、それは二重だから。
誰かに見つかることはもちろん、捨て身の昨日とは違うから。
私は、誰もいないことを確認すると、素早く開けて、入れた。
そして、くるっと自分の下駄箱に向き直る。
その瞬間に、隣のクラスの人がやって来た。
背後で、下駄箱を開ける音、外履きを入れる音が聞こえて、更に心拍数が上昇。
……み、見られてない、よね?
そう信じたい…!
願いつつ、自分も靴を履き替えた。