シチリアーノは泡沫に
さつき荘にもどると、本当にお赤飯が用意してあった。
「なんだ今日はなんの祝いだ?」
豊さんが夕食の席につきながら尋ねた。
すると祐子さんが豊さんに何やら耳打ちし始めた。
何を言っているのか想像したくもないのに、2人の顔がニヤケていくのを見ていると嫌でも思い知らされる。
くそぅ、エロ夫婦め……
「そうかそうか、そりゃめでたい」
豊さんが何故か満足そうに笑って言った。
「あの、祐子さんが言ったようなことはしてないですよ」
半ば諦め気味で反論してみた。
「でも、キスくらいはしたんでしょ?」
「してませんよ」
「ええー、だって抱き締めてたじゃない。こう、後ろからギュッと」
身ぶり手振りを添えながらうっとりしたように祐子さんが言った。
僕はお赤飯を吹き出しそうになった。
なんで知ってるんだ!?
僕が慌てて崖の方を見ると、先ほど皐さんが座っていたところは岩で隠れて見えなかった。
まさかこの人覗きに来たんじゃ……
「なんだ今日はなんの祝いだ?」
豊さんが夕食の席につきながら尋ねた。
すると祐子さんが豊さんに何やら耳打ちし始めた。
何を言っているのか想像したくもないのに、2人の顔がニヤケていくのを見ていると嫌でも思い知らされる。
くそぅ、エロ夫婦め……
「そうかそうか、そりゃめでたい」
豊さんが何故か満足そうに笑って言った。
「あの、祐子さんが言ったようなことはしてないですよ」
半ば諦め気味で反論してみた。
「でも、キスくらいはしたんでしょ?」
「してませんよ」
「ええー、だって抱き締めてたじゃない。こう、後ろからギュッと」
身ぶり手振りを添えながらうっとりしたように祐子さんが言った。
僕はお赤飯を吹き出しそうになった。
なんで知ってるんだ!?
僕が慌てて崖の方を見ると、先ほど皐さんが座っていたところは岩で隠れて見えなかった。
まさかこの人覗きに来たんじゃ……