コクリバ 【完】
「あれ?奈々ちゃん、なんか雰囲気変わったね」
兄の方にいた中山さんが突然声をあげた。
「あー。化粧してるんだ」
菊池義人も茶化してくる。
高木先輩の前で、何を暴露してくれてるんだ!
そう思って、菊池義人を睨んだ。
だけど、菊池義人の顔を見た途端、さっきのともちゃんの話を思い出してしまった。
一緒にお風呂に入ったとか……
菊池義人とともちゃんが……
「なんで義人見て赤くなってんだよ」
兄に蹴られた。
「赤くなってないし……」
なんで高木先輩の前でそんなこと言うの!
兄に対して蹴り返したい気分になる。
高木先輩の前だからしないけど。
「奈々ちゃん、いいじゃん。その化粧」
中山さんもその話題から離れてくれそうになくって、兄はあからさまに眉を寄せている。
「なんだよ、そのケバイ顔。洗ってこい」
このやりとりを高木先輩に聞かれてるかと思うと、
さっさとこの場を逃げ出したい。
「それじゃ、みなさん、ごゆっくり」
いつものセリフを言って、ドアを閉めようとしたとき、また高木先輩と目が合った。
どうせなら二人で会いたかったって思う。
兄がこっちに来るのが見えたから、それ以上高木先輩を見ていられなくて、渋々廊下に出ると、
兄まで私を押すように廊下に出てきた。
「何?」
「悪い。飯、作って」
「えー!」
とんでもないことを兄が言い出した。
兄の方にいた中山さんが突然声をあげた。
「あー。化粧してるんだ」
菊池義人も茶化してくる。
高木先輩の前で、何を暴露してくれてるんだ!
そう思って、菊池義人を睨んだ。
だけど、菊池義人の顔を見た途端、さっきのともちゃんの話を思い出してしまった。
一緒にお風呂に入ったとか……
菊池義人とともちゃんが……
「なんで義人見て赤くなってんだよ」
兄に蹴られた。
「赤くなってないし……」
なんで高木先輩の前でそんなこと言うの!
兄に対して蹴り返したい気分になる。
高木先輩の前だからしないけど。
「奈々ちゃん、いいじゃん。その化粧」
中山さんもその話題から離れてくれそうになくって、兄はあからさまに眉を寄せている。
「なんだよ、そのケバイ顔。洗ってこい」
このやりとりを高木先輩に聞かれてるかと思うと、
さっさとこの場を逃げ出したい。
「それじゃ、みなさん、ごゆっくり」
いつものセリフを言って、ドアを閉めようとしたとき、また高木先輩と目が合った。
どうせなら二人で会いたかったって思う。
兄がこっちに来るのが見えたから、それ以上高木先輩を見ていられなくて、渋々廊下に出ると、
兄まで私を押すように廊下に出てきた。
「何?」
「悪い。飯、作って」
「えー!」
とんでもないことを兄が言い出した。