コクリバ 【完】
母がやるとあっという間にカレーは出来上がり、美味しそうな匂いが漂っている。
人数分のカレーを高木先輩と菊池雅人が運んで、二人はそのまま中で食べるようだった。
私は母とキッチンで向かい合い、具材の大きさがバラバラなカレーを食べた。
「お母さん。夏休みさ。私も料理手伝うね」
「何?できなくて恥ずかしかったの?」
「……」
直球過ぎだよお母さん。もう少しカーブをかけてくれればいいのに……
「奈々が携帯持ちたいって言いだしたのは彼のため?」
「え……彼って?」
驚いて母を見ると、その問いに母はニヤリと笑うだけで、
「それも彼にもらったの?」
母の目線がペンダントに移っている。
「これは違う。中山さんにもらったの」
「ふーん。じゃ中山君にはあとでお礼言わなきゃね」
「うん。お兄ちゃんのいないとこでね」
「で?高木君からは何もらったの?」
手にしたスプーンを落としそうになった。
母は楽しそうに笑っている。
自分の親だけど、意地悪な性格だと思う。
「な、んで…」
「なんで分かったかって?そんなの簡単よ。クロスワードより簡単」
母は得意気だった。
最近母がハマっているクロスワードクイズは私の方が正解率が高いのに、どこでバレたのか全く分からない。
人数分のカレーを高木先輩と菊池雅人が運んで、二人はそのまま中で食べるようだった。
私は母とキッチンで向かい合い、具材の大きさがバラバラなカレーを食べた。
「お母さん。夏休みさ。私も料理手伝うね」
「何?できなくて恥ずかしかったの?」
「……」
直球過ぎだよお母さん。もう少しカーブをかけてくれればいいのに……
「奈々が携帯持ちたいって言いだしたのは彼のため?」
「え……彼って?」
驚いて母を見ると、その問いに母はニヤリと笑うだけで、
「それも彼にもらったの?」
母の目線がペンダントに移っている。
「これは違う。中山さんにもらったの」
「ふーん。じゃ中山君にはあとでお礼言わなきゃね」
「うん。お兄ちゃんのいないとこでね」
「で?高木君からは何もらったの?」
手にしたスプーンを落としそうになった。
母は楽しそうに笑っている。
自分の親だけど、意地悪な性格だと思う。
「な、んで…」
「なんで分かったかって?そんなの簡単よ。クロスワードより簡単」
母は得意気だった。
最近母がハマっているクロスワードクイズは私の方が正解率が高いのに、どこでバレたのか全く分からない。