コクリバ 【完】
「泣かないで、奈々」
気が付くと、絢香が隣に座って、背中をトントンしている。
「あ、りがとう…」
もうハンカチはグショグショに濡れていたけど、絢香の優しさに更に涙が出た。
「奈々。行ってみよう」
少しの沈黙のあと、落ち着きだした私を待って、絢香がそう言いだした。
元々目力のあるその大きな二つの眼が、更に力を込めて私を見ている。
「……どこに?」
「もう。待ってるだけじゃダメだよ。
高木先輩に直接言いに行こうよ。
私も一緒に行ってあげるから。ね!」
「……でも…関係がバレるのはイヤみたいだし…」
「そんなこと言ってる余裕あるの?
高木先輩、誤解してるかもしれないでしょ」
絢香の語気が強くなるのと同時に、今にも立ち上がりそうな勢いで私の腕をギュッと掴んだ。
「…かも、じゃなくて、してると思う」
「だったら行こう!こんなところでイジケてても一緒だよ」
「でも、迷惑掛けたくないし……」
「何言ってんの。彼氏だったら、彼女が困ってる時は助けなきゃでしょ」
「……」
「あたしが言ってあげる。ガツンと言ってあげるから」
「……」
「行くよ!」
こんな時だけど、絢香の強さが羨ましいと思った。
私に少しでもこんな強さがあれば、ここまでみんなに言われることはなかったのだろうか……
気が付くと、絢香が隣に座って、背中をトントンしている。
「あ、りがとう…」
もうハンカチはグショグショに濡れていたけど、絢香の優しさに更に涙が出た。
「奈々。行ってみよう」
少しの沈黙のあと、落ち着きだした私を待って、絢香がそう言いだした。
元々目力のあるその大きな二つの眼が、更に力を込めて私を見ている。
「……どこに?」
「もう。待ってるだけじゃダメだよ。
高木先輩に直接言いに行こうよ。
私も一緒に行ってあげるから。ね!」
「……でも…関係がバレるのはイヤみたいだし…」
「そんなこと言ってる余裕あるの?
高木先輩、誤解してるかもしれないでしょ」
絢香の語気が強くなるのと同時に、今にも立ち上がりそうな勢いで私の腕をギュッと掴んだ。
「…かも、じゃなくて、してると思う」
「だったら行こう!こんなところでイジケてても一緒だよ」
「でも、迷惑掛けたくないし……」
「何言ってんの。彼氏だったら、彼女が困ってる時は助けなきゃでしょ」
「……」
「あたしが言ってあげる。ガツンと言ってあげるから」
「……」
「行くよ!」
こんな時だけど、絢香の強さが羨ましいと思った。
私に少しでもこんな強さがあれば、ここまでみんなに言われることはなかったのだろうか……