コクリバ 【完】
卒業
もともと好きだとか言われてはいないし、
付き合ってることだって隠されていた。
付き合ってる…そう思ってた期間よりも、その後の不安な時期の方が長いし
高木先輩は校内で有名だけど、私はクラスメイトくらいしか顔と名前が一致しない存在だし
そんなことを考えたら、高木先輩に飽きられ、呆れられ、捨てられても当然のことなのかもしれない。
私なんて、所詮その程度の人間なんだ。
高木先輩と話せただけでもラッキー……
一人になって、いろいろ考えた。
高木先輩が言ってた言葉とか、態度とか
でも、思いだすのは初めてのデートがお泊りだったこととか、花火大会の日のこととか……
楽しかった思い出が胸を締め付ける。
この時が冬休みで本当に良かったと思う。
しばらくどうやって過ごしたのか覚えていない。
ただ着替えることもなく部屋でゴロゴロして過ごし、
食べたんだか食べてないんだか……そんなことどうでもいい。
何もする気が起きなかった。
家にいると、
「シュークリーム買ってきたぞ」
やたらと甘いものを買ってくる兄と、
「奈々。お買い物行かない?」
異様に優しい母と、
「今度の休みは山登りに行くか?なぁ、奈々」
家にいる父……
一人になりたいのに、それも叶わない
付き合ってることだって隠されていた。
付き合ってる…そう思ってた期間よりも、その後の不安な時期の方が長いし
高木先輩は校内で有名だけど、私はクラスメイトくらいしか顔と名前が一致しない存在だし
そんなことを考えたら、高木先輩に飽きられ、呆れられ、捨てられても当然のことなのかもしれない。
私なんて、所詮その程度の人間なんだ。
高木先輩と話せただけでもラッキー……
一人になって、いろいろ考えた。
高木先輩が言ってた言葉とか、態度とか
でも、思いだすのは初めてのデートがお泊りだったこととか、花火大会の日のこととか……
楽しかった思い出が胸を締め付ける。
この時が冬休みで本当に良かったと思う。
しばらくどうやって過ごしたのか覚えていない。
ただ着替えることもなく部屋でゴロゴロして過ごし、
食べたんだか食べてないんだか……そんなことどうでもいい。
何もする気が起きなかった。
家にいると、
「シュークリーム買ってきたぞ」
やたらと甘いものを買ってくる兄と、
「奈々。お買い物行かない?」
異様に優しい母と、
「今度の休みは山登りに行くか?なぁ、奈々」
家にいる父……
一人になりたいのに、それも叶わない