コクリバ 【完】
「お疲れ様でした~」
勤務時間も終わり、一人、また一人とロッカールームを後にしていく。
私も真理子先生が着替え終わるのを待って、二人で外に出た。
「さっきの人、園長の息子さんだったんだね」
「そうですね。びっくりしました。あんまり似てませんね」
「ううん。あの目が園長そっくりじゃん」
「そうでしたか?」
そう言われて思い返してみても、眼鏡をかけてる印象しかなく、園長似の目が思い出せない。
「惜しい!あの顔つきタイプなのに、副園長じゃねー」
「いいじゃないですか、真理子先生の目標の寿退社からの3食昼寝付、いけそうじゃないですか」
その目標のために肉食系幼稚園教諭として頑張っている……らしい。
「バカ。あの人、将来の園長だよ。園長の奥さんになったら3食昼寝なんてできるわけないじゃん。しかも付き合ってる時の他の先生たちのこと考えてみて。絶対周りは冷たいって」
「……真理子先生、すごいですね。一瞬でそこまで考えられるなんて」
「トウゼン!」
大人になると、ただ“好き”という感情だけでは動けなくなる。
相手の条件とか、結婚した時のこととか……
そんな気持ち以外のところがとても気になる。
もうあの頃のような恋愛なんて、することはないのかもしれない。
勤務時間も終わり、一人、また一人とロッカールームを後にしていく。
私も真理子先生が着替え終わるのを待って、二人で外に出た。
「さっきの人、園長の息子さんだったんだね」
「そうですね。びっくりしました。あんまり似てませんね」
「ううん。あの目が園長そっくりじゃん」
「そうでしたか?」
そう言われて思い返してみても、眼鏡をかけてる印象しかなく、園長似の目が思い出せない。
「惜しい!あの顔つきタイプなのに、副園長じゃねー」
「いいじゃないですか、真理子先生の目標の寿退社からの3食昼寝付、いけそうじゃないですか」
その目標のために肉食系幼稚園教諭として頑張っている……らしい。
「バカ。あの人、将来の園長だよ。園長の奥さんになったら3食昼寝なんてできるわけないじゃん。しかも付き合ってる時の他の先生たちのこと考えてみて。絶対周りは冷たいって」
「……真理子先生、すごいですね。一瞬でそこまで考えられるなんて」
「トウゼン!」
大人になると、ただ“好き”という感情だけでは動けなくなる。
相手の条件とか、結婚した時のこととか……
そんな気持ち以外のところがとても気になる。
もうあの頃のような恋愛なんて、することはないのかもしれない。