コクリバ 【完】
「まさか、絢香が一番先に結婚するなんてね」
場所を移動して、優雅にイタリアンレストランでランチを取っているときも、話は止まらない。
「ねぇ。高校の時、誰が一番先にエッチするか競争したの覚えてる?」
「覚えてるよ。絢香は一番最後だったよね」
「……」
盛り上がるともちゃんと私の間で、本人は優雅を気取ってオレンジジュースを飲んでいる。
「高2の頃だっけ?セクシー大作戦やったの……」
「やったねー。オサムッチがいつまでも何もしないからって、いろんな作戦考えたよねー」
「……」
「そうそう。背中にファスナーのあるワンピースを着てって、ファスナー壊れたフリをするとかね」
「あーはは……今思うとバカみたいだね。あの時、冬だったのに半そで着てったよね」
「あれはさ、奈々が吉岡とそうなったからじゃん」
「え?」
ピシッと笑顔のまま固まった。
「あとから付き合ったのに、奈々が先に吉岡としたからじゃん」
「……だから焦ってたの?」
固まって声が出ない私の代わりに、ともちゃんが聞いてくれた。
「っていうか、女として私どうなんだろうって……」
「そんなこと思ってたの?」
「二人とも素敵な彼氏に大事にされてるのに、オサムは私に興味ない感じだったし……」
全く気が付かなかった。
絢香がそんなことで悩んでいたなんて……
絢香はいつも明るくて、強気で、ハッキリ意見を言うタイプだと思っていたのに……
場所を移動して、優雅にイタリアンレストランでランチを取っているときも、話は止まらない。
「ねぇ。高校の時、誰が一番先にエッチするか競争したの覚えてる?」
「覚えてるよ。絢香は一番最後だったよね」
「……」
盛り上がるともちゃんと私の間で、本人は優雅を気取ってオレンジジュースを飲んでいる。
「高2の頃だっけ?セクシー大作戦やったの……」
「やったねー。オサムッチがいつまでも何もしないからって、いろんな作戦考えたよねー」
「……」
「そうそう。背中にファスナーのあるワンピースを着てって、ファスナー壊れたフリをするとかね」
「あーはは……今思うとバカみたいだね。あの時、冬だったのに半そで着てったよね」
「あれはさ、奈々が吉岡とそうなったからじゃん」
「え?」
ピシッと笑顔のまま固まった。
「あとから付き合ったのに、奈々が先に吉岡としたからじゃん」
「……だから焦ってたの?」
固まって声が出ない私の代わりに、ともちゃんが聞いてくれた。
「っていうか、女として私どうなんだろうって……」
「そんなこと思ってたの?」
「二人とも素敵な彼氏に大事にされてるのに、オサムは私に興味ない感じだったし……」
全く気が付かなかった。
絢香がそんなことで悩んでいたなんて……
絢香はいつも明るくて、強気で、ハッキリ意見を言うタイプだと思っていたのに……