コクリバ 【完】
「でもさ、絢香はオサムッチに大事にされたから、高3まで何もなかったんでしょ?」
ともちゃんの優しい声が心地いい。
「そうなんだけど……でもそれまではコンプレックスだったの」
「実は私も、二人にコンプレックスだった」
絢香のカミングアウトにつられて私も話したくなった。
「何?」
「二人とも中学の頃から仲良いのに、私は後から加わって……なのに友人代表のスピーチだなんて……本当はともちゃんがスピーチするのが当然なのにって……」
「奈々。そんなこと思ってたの?」
「奈々ちゃん、そんなことないよ。それを言うなら私だって……」
ともちゃんが斜め下を向きながらそう言った。
「ともちゃんが?」
「私も二人にコンプレックスだった」
「えー?!」
「一人だけノリが違うような気がしてた」
「どこが?」
「恋愛に関しても、二人は一途なのに、私はそんなに一人の人を好きになるって感覚が分からなくて……二人が羨ましかった」
「……知らなかった」
「うん……」
思いがけず告白大会になった久々の女子会は、夕方近くまでだらだらと一緒にいて、途中オサムッチが迎えに来たことでお開きになった。
「じゃね」
「今度は絢香の結婚式で」
「奈々」
「うん?」
「吉岡も来るよ」
「……うん。だろうね」
「うん」
なんだかんだと悩んでいたくせに、絢香はニヤリと笑ってオサムッチが運転する車で颯爽と帰っていった。
私はまだ母親になることは、想像すらできない。
って言うか、その前に結婚できるのかさえ怪しい気がする……
ともちゃんの優しい声が心地いい。
「そうなんだけど……でもそれまではコンプレックスだったの」
「実は私も、二人にコンプレックスだった」
絢香のカミングアウトにつられて私も話したくなった。
「何?」
「二人とも中学の頃から仲良いのに、私は後から加わって……なのに友人代表のスピーチだなんて……本当はともちゃんがスピーチするのが当然なのにって……」
「奈々。そんなこと思ってたの?」
「奈々ちゃん、そんなことないよ。それを言うなら私だって……」
ともちゃんが斜め下を向きながらそう言った。
「ともちゃんが?」
「私も二人にコンプレックスだった」
「えー?!」
「一人だけノリが違うような気がしてた」
「どこが?」
「恋愛に関しても、二人は一途なのに、私はそんなに一人の人を好きになるって感覚が分からなくて……二人が羨ましかった」
「……知らなかった」
「うん……」
思いがけず告白大会になった久々の女子会は、夕方近くまでだらだらと一緒にいて、途中オサムッチが迎えに来たことでお開きになった。
「じゃね」
「今度は絢香の結婚式で」
「奈々」
「うん?」
「吉岡も来るよ」
「……うん。だろうね」
「うん」
なんだかんだと悩んでいたくせに、絢香はニヤリと笑ってオサムッチが運転する車で颯爽と帰っていった。
私はまだ母親になることは、想像すらできない。
って言うか、その前に結婚できるのかさえ怪しい気がする……