コクリバ 【完】
「奈々先生」
「はい」
「帰りのバスの友紀奈先生から無線で、ゆうき君が乗ってないって言われてますけど……」
「えっ?」
園児たちを見送った後、職員室でおたよりを書いていた時、突然呼ばれた。
たしか、ゆうき君は今日はお残り保育だったはず……
幼稚園では、帰りの時間にお迎えに来られないお母様方のために、放課後お残り保育を実施していた。
お仕事をもったお母様方がよく利用されているけど、その日に言ってもお残り保育ができるようなシステムになっていて、急な用事でお残り保育を頼む方も多い。
もしかして間違った…?
「無線代わって」
「もう無線は終わりました。友紀奈先生から伝言で、ゆうき君のお母様に電話してほしいとのことでした」
今年入った理恵先生の言葉に、一瞬固まった。
背中にイヤな汗が流れる。
急いで今朝ゆうき君からもらったメモを探すと、そこには『明日はお残り保育をお願いします』の文字があった。
読み間違えた。
ドキドキと心臓が早く鳴り始め、受話器を上げようとする手が震えている。
「はい」
「帰りのバスの友紀奈先生から無線で、ゆうき君が乗ってないって言われてますけど……」
「えっ?」
園児たちを見送った後、職員室でおたよりを書いていた時、突然呼ばれた。
たしか、ゆうき君は今日はお残り保育だったはず……
幼稚園では、帰りの時間にお迎えに来られないお母様方のために、放課後お残り保育を実施していた。
お仕事をもったお母様方がよく利用されているけど、その日に言ってもお残り保育ができるようなシステムになっていて、急な用事でお残り保育を頼む方も多い。
もしかして間違った…?
「無線代わって」
「もう無線は終わりました。友紀奈先生から伝言で、ゆうき君のお母様に電話してほしいとのことでした」
今年入った理恵先生の言葉に、一瞬固まった。
背中にイヤな汗が流れる。
急いで今朝ゆうき君からもらったメモを探すと、そこには『明日はお残り保育をお願いします』の文字があった。
読み間違えた。
ドキドキと心臓が早く鳴り始め、受話器を上げようとする手が震えている。