コクリバ 【完】
慌てて名簿を見ながらゆうき君のお母様の携帯番号を確認していると、電話の通話ボタンを押さえている大きな手に気付いた。
ハッと顔を上げると目の前には洋祐先生。
「どうしたんですか?」
冷たい声が職員室に響く。
職員室の騒ぎに気付いて入ってきたのかもしれない。
それとも誰かが連絡したとか……
「すみません。メモを読み間違えて、今日はお残り保育では無い子をお残り保育の方に行かせてしまいました」
声が震えているのが自分でも分かる。
しっかりしなきゃ
これ以上の失敗は絶対に出来ない。
「それで、どうするつもりですか?」
洋祐先生の冷たい声が、慌てて取り乱しそうになっていた私の思考回路を冷やした。
「これからゆうき君のお母様に連絡をして、私が送っていきます」
「奈々先生は、今日は何の当番もないんですか?」
「はい。今日はありません」
洋祐先生が落ち着いた声で話すから、私の頭の中ではいろんなことを一瞬で計算していた。
「どうやって送っていくんですか?」
「タクシーを使おうかと思っています」
「……分かりました。私が車を出しますので、ゆうき君のお母様にはご自宅で待ってるように伝えてください」
「洋祐先生が送ってくださるんですか?」
「私一人では場所が分かりません。奈々先生も一緒に来てください」
「もちろんです。ありがとうございます」
ハッと顔を上げると目の前には洋祐先生。
「どうしたんですか?」
冷たい声が職員室に響く。
職員室の騒ぎに気付いて入ってきたのかもしれない。
それとも誰かが連絡したとか……
「すみません。メモを読み間違えて、今日はお残り保育では無い子をお残り保育の方に行かせてしまいました」
声が震えているのが自分でも分かる。
しっかりしなきゃ
これ以上の失敗は絶対に出来ない。
「それで、どうするつもりですか?」
洋祐先生の冷たい声が、慌てて取り乱しそうになっていた私の思考回路を冷やした。
「これからゆうき君のお母様に連絡をして、私が送っていきます」
「奈々先生は、今日は何の当番もないんですか?」
「はい。今日はありません」
洋祐先生が落ち着いた声で話すから、私の頭の中ではいろんなことを一瞬で計算していた。
「どうやって送っていくんですか?」
「タクシーを使おうかと思っています」
「……分かりました。私が車を出しますので、ゆうき君のお母様にはご自宅で待ってるように伝えてください」
「洋祐先生が送ってくださるんですか?」
「私一人では場所が分かりません。奈々先生も一緒に来てください」
「もちろんです。ありがとうございます」