コクリバ 【完】
「ありがとうございました」

子供たちの抱っこが一巡して、出て行こうとする洋祐先生に声を掛けると、ニッコリ笑った顔が見えた。

その笑顔に騙されそうになるから、スッと視線を子供たちに戻して、次の飾りを付けようと笹に向かう……と、洋祐先生がすぐそばに来ていた。

「やっと話してくれましたね」

え?

顔を上げると、さっきと同じ笑顔で一回頷いてから洋祐先生は教室を出て行った。

そんな言葉では騙されない。

確かに、洋祐先生は子供たちには人気があるかもしれないけど、中身はその辺のセクハラおやじと同じ、サイテーな部類。

絶対に気を許すことはしない!!

そんな決意を新たにした数時間後―――


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