コクリバ 【完】
「この前合コンの件で園長に怒られてから、奈々に申し訳なくて……」
「なんで真理子先生がそんなこと思うんですか?行きたいって言ったのは私ですよ」
「でもさ、いっつも合コンに行ってるみたいに思われたじゃん」
「それは真理子先生のせいではないですよ」
「今後も合コン行けなくなったしさ」
「それは私よりも真理子先生の方がガッカリだったんじゃ……」
「だからね、奈々にも楽しんでほしかったの。マッチョ系じゃないかもしれないけど…アルコール禁止かもしれないけど…もしかしたら楽しいかもしれないでしょ?」
真理子先生の潤んだ瞳が真っ直ぐに私を捉えるから、その瞳に魅入ってしまった。
「……」
「じゃ、お盆明けの週末だから……」
気付けば真理子先生は立ち上がって「お先に」とドアに向かっている。
「真理子先生」
「あ、大事なこと言い忘れた」
「……」
「奈々先生も当番の日じゃなかったから、安心して」
それだけ言い残して真理子先生は帰っていった。
そこ?
……違う
違うと思う。
何かがおかしい。
真理子先生の潤んだ瞳に騙されたような気になって、しばらくポカンとしていた。
洋祐先生主催だなんて、それだけで行きたくない。
また何を言われるか分かったもんじゃない。
なんとかそれまでに断る口実を見つけよう。
「なんで真理子先生がそんなこと思うんですか?行きたいって言ったのは私ですよ」
「でもさ、いっつも合コンに行ってるみたいに思われたじゃん」
「それは真理子先生のせいではないですよ」
「今後も合コン行けなくなったしさ」
「それは私よりも真理子先生の方がガッカリだったんじゃ……」
「だからね、奈々にも楽しんでほしかったの。マッチョ系じゃないかもしれないけど…アルコール禁止かもしれないけど…もしかしたら楽しいかもしれないでしょ?」
真理子先生の潤んだ瞳が真っ直ぐに私を捉えるから、その瞳に魅入ってしまった。
「……」
「じゃ、お盆明けの週末だから……」
気付けば真理子先生は立ち上がって「お先に」とドアに向かっている。
「真理子先生」
「あ、大事なこと言い忘れた」
「……」
「奈々先生も当番の日じゃなかったから、安心して」
それだけ言い残して真理子先生は帰っていった。
そこ?
……違う
違うと思う。
何かがおかしい。
真理子先生の潤んだ瞳に騙されたような気になって、しばらくポカンとしていた。
洋祐先生主催だなんて、それだけで行きたくない。
また何を言われるか分かったもんじゃない。
なんとかそれまでに断る口実を見つけよう。