コクリバ 【完】
翌日は、家族でお墓参りに行き、父が何故か浮かれていて、昼から焼肉に連れて行かれた。
もう成人した子供二人を連れて、真昼間っから焼肉屋でビールを飲んでる父を、ご先祖様も笑っているだろう。
兄が出かけたあとは、3人でダラダラとぶどうを食べながらテレビを見ていた。
「おまえは出かけないのか」と聞かれたけど、ともちゃんは帰って来てないし、絢香は新婚さんだから誘い難くて「うん」と答え、ダラダラを続行した。
深夜になって、幼い頃から使っているベッドに横になっていたら、枕もとに置いてた携帯が震えだす。
暗闇の中で光る画面を確認すると、ディスプレイには“吉岡”の文字。
「……はい」
寝起きの掠れた声を出すと、
「悪い、寝てたか?」
吉岡の声がした。
「どうしたの?」
「おまえの兄貴と飲んでたけど、智さんがつぶれた」
「えぇ?」
「今、玄関の前だけど、開けてくんない?」
……一気に目が覚めた。
もう成人した子供二人を連れて、真昼間っから焼肉屋でビールを飲んでる父を、ご先祖様も笑っているだろう。
兄が出かけたあとは、3人でダラダラとぶどうを食べながらテレビを見ていた。
「おまえは出かけないのか」と聞かれたけど、ともちゃんは帰って来てないし、絢香は新婚さんだから誘い難くて「うん」と答え、ダラダラを続行した。
深夜になって、幼い頃から使っているベッドに横になっていたら、枕もとに置いてた携帯が震えだす。
暗闇の中で光る画面を確認すると、ディスプレイには“吉岡”の文字。
「……はい」
寝起きの掠れた声を出すと、
「悪い、寝てたか?」
吉岡の声がした。
「どうしたの?」
「おまえの兄貴と飲んでたけど、智さんがつぶれた」
「えぇ?」
「今、玄関の前だけど、開けてくんない?」
……一気に目が覚めた。