コクリバ 【完】
「無理に忘れようとするから、できないんだよ」
ズキンと胸が軋む。
「でも、そうでもしないと、全く恋愛が出来なくなってしまいます!」
胸張って言い切ったら、谷さんは声を出して笑った。
もう昔の恋愛の話はしたくない。
「そう。恋愛したいんだ」
「はい。もちろんです」
ニッコリ笑って断言すると、谷さんが笑顔を返してくれる。
谷さんは笑うと目がなくなるようだ。
「だったら、上書きしたら?」
「上書き…ですか?」
「そう。忘れる努力より、次の人を更に好きになるように」
「谷さん。意外と面白いこと言いますね」
「はは。意外だった?」
「はい。無口な人だと思ってました」
「人見知りなんだよ。大人数が苦手なだけ」
「ありがとうございます。なんか軽くなりました。次は、上書きやってみますね」
ニッコリ笑って立ち上がろうとすると、
「そうやって、本心は隠すんだ」
谷さんがつぶやいた。
ズキンと胸が軋む。
「でも、そうでもしないと、全く恋愛が出来なくなってしまいます!」
胸張って言い切ったら、谷さんは声を出して笑った。
もう昔の恋愛の話はしたくない。
「そう。恋愛したいんだ」
「はい。もちろんです」
ニッコリ笑って断言すると、谷さんが笑顔を返してくれる。
谷さんは笑うと目がなくなるようだ。
「だったら、上書きしたら?」
「上書き…ですか?」
「そう。忘れる努力より、次の人を更に好きになるように」
「谷さん。意外と面白いこと言いますね」
「はは。意外だった?」
「はい。無口な人だと思ってました」
「人見知りなんだよ。大人数が苦手なだけ」
「ありがとうございます。なんか軽くなりました。次は、上書きやってみますね」
ニッコリ笑って立ち上がろうとすると、
「そうやって、本心は隠すんだ」
谷さんがつぶやいた。