コクリバ 【完】
「なにやってんだよ。お前らだけ遅すぎだろ」
普段の洋祐先生とは違う話し方に戸惑った。
「悪い。ちょっと泣かせた」
谷さんがニヤリと笑って、私に視線を向けるから、「何を言い出すんだ」と谷さんを睨むと、
「はぁ?」
数歩先から、ハッキリと洋祐先生の不機嫌な声が聞えてきた。
「そういう訳だからお先に……」
軽い感じで言うと、谷さんは足元のビニール袋を拾ってさっさと歩き出した。
早い。
それまでの薪集め班の時とは違う。
数段早い歩き方に、置いて行かれたと後から気付いた。
洋祐先生と二人、居た堪れない空気が重たく感じる。
「あ、あの。遅くなってすみませんでした」
「……」
「行きましょうか……」
私も枝の入ったビニール袋を持ち上げる。
「なんで泣かされたんですか?」
洋祐先生の声が低い。
そして小さい、聞いたことがないほど……
「あの、昔の話をしていて……高校時代の話です」
「……」
「それで、ちょっと思い出して……あの、すみません」
沈黙に耐えられなくて、挙動不審になってしまう。
「奈々先生……」
ビクリと肩が跳ねた。
「っはい」
「……私が怖いですか?」
ハッと顔を上げると、洋祐先生が寂しそうな顔でこっちを見ていた。
普段の洋祐先生とは違う話し方に戸惑った。
「悪い。ちょっと泣かせた」
谷さんがニヤリと笑って、私に視線を向けるから、「何を言い出すんだ」と谷さんを睨むと、
「はぁ?」
数歩先から、ハッキリと洋祐先生の不機嫌な声が聞えてきた。
「そういう訳だからお先に……」
軽い感じで言うと、谷さんは足元のビニール袋を拾ってさっさと歩き出した。
早い。
それまでの薪集め班の時とは違う。
数段早い歩き方に、置いて行かれたと後から気付いた。
洋祐先生と二人、居た堪れない空気が重たく感じる。
「あ、あの。遅くなってすみませんでした」
「……」
「行きましょうか……」
私も枝の入ったビニール袋を持ち上げる。
「なんで泣かされたんですか?」
洋祐先生の声が低い。
そして小さい、聞いたことがないほど……
「あの、昔の話をしていて……高校時代の話です」
「……」
「それで、ちょっと思い出して……あの、すみません」
沈黙に耐えられなくて、挙動不審になってしまう。
「奈々先生……」
ビクリと肩が跳ねた。
「っはい」
「……私が怖いですか?」
ハッと顔を上げると、洋祐先生が寂しそうな顔でこっちを見ていた。