コクリバ 【完】
「いいと思います」
「ありがとう」

スッと私の片手が軽くなる。
洋祐先生にニール袋を取られた。

「あの……」
「さぁ、急いで!バーベキューが待ってますよ」
「あ、また敬語……」

笑いながら二人でみんなのところへ急いだ。

森の端で谷さんが岩に座っていて、ニヤニヤと洋祐先生と私を見ていた。
私たちが二人きりで戻らないように気を遣ってくれたらしい。

でも、その目がいやらしい。
軽く睨んだら、フッと笑われた。


誰かが持ってきていた音楽プレーヤーからレゲエの音楽が流れてくると、バーベキューが始まった。

魚と野菜だけかと思っていたら、肉もたっぷりあって、本気で野菜だけになるかもと考えていた自分が、騙されていたことに気付いた……けど、そのことは誰にも言わなかった。

真理子先生は、例の俳優系と名前で呼び合うくらい、ものすごく仲良くなっていた。

洋祐先生の周りには相変わらず多くの女子チームが集まっていて
さながらハーレムだ。

その横を苦笑いで通り過ぎ、私は谷さんの隣りに座る。
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