コクリバ 【完】
2学期
いろいろあった夏休みは終わり、今日から2学期が始まった。
ヒマワリ組のみんなも一際たくましくなり、それぞれの夏の思い出を、うるさいくらいに語っている。
「今日はそんな夏休みを絵にしてみよう」
画用紙を配ると騒がしかったヒマワリ組が静かになった。
描いている子供たちの集中力はすごい。
窓から洋祐先生が覗いているのにも気づかない……いや、気付いている。でも、絵の方が大事らしい。
洋祐先生は何も言わず私に頷いただけで、ヒマワリ組をあとにした。
あれから、洋祐先生とは距離が近くなったように感じる。
だけど、それ以上ではない。
ただの幼稚園教諭仲間―――そんな関係に戻っただけなのかもしれない。
一つ変わったのは、洋祐先生はワイシャツにズボンという格好をやめたようだ。
今日はadidasのジャージが良く似合っている。
「なんか洋祐先生、最近変わったよね」
それは職員室でも話題になるくらいで
「うん。今の方が話しやすいよね」
「スーツ姿も良かったけど……」
「もうすぐ運動会だからじゃない?」
そう、2学期は幼稚園の行事がたくさん予定されていて、まずは一月後の運動会。
めぐみ先生と真理子先生の動向が気になる。
園児よりもその担任の方が熱くなっているかもしれない。
「次の人はバトンをもらってから走るの」
「前のお友達をよく覚えててね。誰からもらうかが分からなくなるよ!」
「自分の順番が来たら、ここに立ってね」
連日のように大声を出していて、声が枯れそうだった。でも、ヒマワリ組のみんなを勝たせたい。
いつしかめぐみ先生も真理子先生も目の色が変わってきた。
ヒマワリ組のみんなも一際たくましくなり、それぞれの夏の思い出を、うるさいくらいに語っている。
「今日はそんな夏休みを絵にしてみよう」
画用紙を配ると騒がしかったヒマワリ組が静かになった。
描いている子供たちの集中力はすごい。
窓から洋祐先生が覗いているのにも気づかない……いや、気付いている。でも、絵の方が大事らしい。
洋祐先生は何も言わず私に頷いただけで、ヒマワリ組をあとにした。
あれから、洋祐先生とは距離が近くなったように感じる。
だけど、それ以上ではない。
ただの幼稚園教諭仲間―――そんな関係に戻っただけなのかもしれない。
一つ変わったのは、洋祐先生はワイシャツにズボンという格好をやめたようだ。
今日はadidasのジャージが良く似合っている。
「なんか洋祐先生、最近変わったよね」
それは職員室でも話題になるくらいで
「うん。今の方が話しやすいよね」
「スーツ姿も良かったけど……」
「もうすぐ運動会だからじゃない?」
そう、2学期は幼稚園の行事がたくさん予定されていて、まずは一月後の運動会。
めぐみ先生と真理子先生の動向が気になる。
園児よりもその担任の方が熱くなっているかもしれない。
「次の人はバトンをもらってから走るの」
「前のお友達をよく覚えててね。誰からもらうかが分からなくなるよ!」
「自分の順番が来たら、ここに立ってね」
連日のように大声を出していて、声が枯れそうだった。でも、ヒマワリ組のみんなを勝たせたい。
いつしかめぐみ先生も真理子先生も目の色が変わってきた。