コクリバ 【完】
運動会当日は気持ちの良い快晴。
誰の行いの良さで晴れたか、そんな低レベルな争いをしながら朝早くから最終準備をした。
洋祐先生も運動会は一番の見せ場のようで、男手が足りない幼稚園ではあちらこちらから呼ばれている。
そして始まった運動会。
玉入れ競争ではヒマワリ組は一番だった。みんなで万歳して喜ぶ、子供たちの笑顔がたまらない。
やっと午前に予定している競技が終わってお昼休憩。
職員室に戻ろうとしていた時、洋祐先生が近付いてきた。
「奈々先生……」
「はい。何かありましたか?」
不測の事態という言葉が頭を過ぎる。
「あのフェンスの向こう側にいる人、お知り合いの方ですか?」
「え?どの人ですか?」
「あの、白いポロシャツの、格好の良い男の人」
洋祐先生が小さく指さす方を、目を凝らして見る。
「あっ」
思わず口から音が漏れた。
「奈々先生の知り合いの方ですか?」
「すみません。ちょっと失礼します」
そう言い終わる前に、私はフェンスまで走った。
誰の行いの良さで晴れたか、そんな低レベルな争いをしながら朝早くから最終準備をした。
洋祐先生も運動会は一番の見せ場のようで、男手が足りない幼稚園ではあちらこちらから呼ばれている。
そして始まった運動会。
玉入れ競争ではヒマワリ組は一番だった。みんなで万歳して喜ぶ、子供たちの笑顔がたまらない。
やっと午前に予定している競技が終わってお昼休憩。
職員室に戻ろうとしていた時、洋祐先生が近付いてきた。
「奈々先生……」
「はい。何かありましたか?」
不測の事態という言葉が頭を過ぎる。
「あのフェンスの向こう側にいる人、お知り合いの方ですか?」
「え?どの人ですか?」
「あの、白いポロシャツの、格好の良い男の人」
洋祐先生が小さく指さす方を、目を凝らして見る。
「あっ」
思わず口から音が漏れた。
「奈々先生の知り合いの方ですか?」
「すみません。ちょっと失礼します」
そう言い終わる前に、私はフェンスまで走った。