コクリバ 【完】
「実は初めは嫌だったんです、幼稚園の経営に携わるのが……もっと教師をしていたかった。だけど、子供たちの成長や先生たちの成長を目の当たりにして、もっと助けてあげたいと思うようになった」
「先生……」
「奈々先生。あなたと一緒なら力強い。あなたと一緒に幼稚園を作っていきたい。やりたいことがたくさんあるんだ。隣にいて手伝ってもらえませんか?」
「待ってください。それって、それは、あの…何て言うか、私には完全に役不足です。じゃなくって、身に余る光栄…じゃなくって、力不足!そう、そうなんです。私にはそんな大役、無理です。もっと…そう、友紀奈先生みたいな人が……」
もう、逃げ出したい―――
私はもっと上手に恋愛ができてたはずだ。
自分も相手も傷つかないように、お互い干渉はしないで、感情をぶつけあうこともなく、ただ楽しければそれでいい―――はずなのに……
「奈々……急に言い出したことではないですよ。ずっと悩んでました。言ってはいけないと思ってました。でも……私の気持ちには気付いてたでしょ?」
穏やかに、切なげに語る洋祐先生の言葉が身体中を溶かしてしまいそう。
なんでこのタイミングなんだろう。
過去の恋愛が終ったのを見てたかのようなタイミングに、そういう運命なのかと考えてしまう。
そろそろ次の恋愛を……という神様からのメッセージかと……
「先生……」
「奈々先生。あなたと一緒なら力強い。あなたと一緒に幼稚園を作っていきたい。やりたいことがたくさんあるんだ。隣にいて手伝ってもらえませんか?」
「待ってください。それって、それは、あの…何て言うか、私には完全に役不足です。じゃなくって、身に余る光栄…じゃなくって、力不足!そう、そうなんです。私にはそんな大役、無理です。もっと…そう、友紀奈先生みたいな人が……」
もう、逃げ出したい―――
私はもっと上手に恋愛ができてたはずだ。
自分も相手も傷つかないように、お互い干渉はしないで、感情をぶつけあうこともなく、ただ楽しければそれでいい―――はずなのに……
「奈々……急に言い出したことではないですよ。ずっと悩んでました。言ってはいけないと思ってました。でも……私の気持ちには気付いてたでしょ?」
穏やかに、切なげに語る洋祐先生の言葉が身体中を溶かしてしまいそう。
なんでこのタイミングなんだろう。
過去の恋愛が終ったのを見てたかのようなタイミングに、そういう運命なのかと考えてしまう。
そろそろ次の恋愛を……という神様からのメッセージかと……