コクリバ 【完】
「せんせい。サオリのもみてー」
「はい。見るよ。友紀奈先生、少し子供たちと遊んでからにします」
「はい。分かりました」
その笑顔が怖い。
「サオリちゃん。上手になったね。今度は2回ずつ飛んでみる?そしたらテンポ良く飛び続けられるんじゃないかな?」
「奈々先生。サオリちゃんはそのままでいいですよ。サオリちゃん、1回ずつでいいよ。だからもうちょっと腕を早く動かしてみようか?」
やけに友紀奈先生が絡んでくる。
「友紀奈先生。2回ずつの方がゆっくりでも確実なんじゃないですか?」
なんだか私も引きたくない気分だ。
「まだ奈々先生は2年目だから、分からないでもしょうがないけどね」
友紀奈先生の笑顔が深くなる。
園庭で、子供たちと他の先生方が私たちを見ている視線を感じる。
次の言葉を言おうと口を開きかけた時、
「友紀奈先生ー。ちょっといいですか?」
園長室の前の窓から、洋祐先生が出てきていた。
「あれ?奈々先生、出勤?」
歩きながら私に気付いた洋祐先生。
「休みですけど、仕事が溜まってて……」
「洋祐先生。なんでしょうか?」
となりにいたはずの友紀奈先生はもう洋祐先生の側まで行っている。
会話するのも許せないんですか?
「あぁ。ちょっと春休みのことについていいですか?」
「はい。今行きます」
満面の笑みの友紀奈先生がこっちを見る。
「先生方すみません。ちょっと行ってきます」
「はい」
「どうぞ」
今日の当番の先生方が返事している。
最後に友紀奈先生が私に微笑みを向けて、洋祐先生と一緒に園長室へと向かって行った。
「……」
「せんせいー」
下からサオリちゃんに呼ばれるまで、友紀奈先生の背中をじっと見ていることに気が付かなかった。
「サオリちゃん。2回でやってみて」
赤いジャージどころか、真っ赤なコートまで買ってやろうか……
「はい。見るよ。友紀奈先生、少し子供たちと遊んでからにします」
「はい。分かりました」
その笑顔が怖い。
「サオリちゃん。上手になったね。今度は2回ずつ飛んでみる?そしたらテンポ良く飛び続けられるんじゃないかな?」
「奈々先生。サオリちゃんはそのままでいいですよ。サオリちゃん、1回ずつでいいよ。だからもうちょっと腕を早く動かしてみようか?」
やけに友紀奈先生が絡んでくる。
「友紀奈先生。2回ずつの方がゆっくりでも確実なんじゃないですか?」
なんだか私も引きたくない気分だ。
「まだ奈々先生は2年目だから、分からないでもしょうがないけどね」
友紀奈先生の笑顔が深くなる。
園庭で、子供たちと他の先生方が私たちを見ている視線を感じる。
次の言葉を言おうと口を開きかけた時、
「友紀奈先生ー。ちょっといいですか?」
園長室の前の窓から、洋祐先生が出てきていた。
「あれ?奈々先生、出勤?」
歩きながら私に気付いた洋祐先生。
「休みですけど、仕事が溜まってて……」
「洋祐先生。なんでしょうか?」
となりにいたはずの友紀奈先生はもう洋祐先生の側まで行っている。
会話するのも許せないんですか?
「あぁ。ちょっと春休みのことについていいですか?」
「はい。今行きます」
満面の笑みの友紀奈先生がこっちを見る。
「先生方すみません。ちょっと行ってきます」
「はい」
「どうぞ」
今日の当番の先生方が返事している。
最後に友紀奈先生が私に微笑みを向けて、洋祐先生と一緒に園長室へと向かって行った。
「……」
「せんせいー」
下からサオリちゃんに呼ばれるまで、友紀奈先生の背中をじっと見ていることに気が付かなかった。
「サオリちゃん。2回でやってみて」
赤いジャージどころか、真っ赤なコートまで買ってやろうか……