コクリバ 【完】
子供たちが教室に戻ると私もヒマワリ組の教室は閉めて、職員室へと戻った。
仕事は何も片付かなかったけど、子供たちにパワーをもらったから、今日は来て良かった。
職員室に戻ると、習慣でバッグから携帯を取り出す。
どうせ誰からの連絡もないと思っていたら、マスターからLINEが届いていていた。
『おやつ食べに来ない?
うちの新商品美味しいよ。
それから、コイツを早く引き取りに来て。
俺より料理が上手い奴ムカツク』
その後に画像が添付されていた。
美味しそうなガトーショコラが乗ったお皿と、それを今そこに置きましたっていうような手が写り込んでる。
しかも両手が……
見覚えのある大きな手と、良く見るとその後ろに黒いギャルソンエプロンを巻いた人がいる。
マスターじゃない。
このしっかりした身体つきは、華奢なマスターのとは違う。
なんでこんなガトーショコラにしかピントがあってないの?
手なんかちょっとブレてるし……
マスター写真家じゃないの?
って言うか、はっきり誰なのか言ってくれればいいのに……
携帯を投げるようにバッグに戻して、コートを羽織るのももどかしく、手に持ったまま職員室を飛び出した。
あの店に、一緒に行ったのはあの人しかいないじゃない―――
仕事は何も片付かなかったけど、子供たちにパワーをもらったから、今日は来て良かった。
職員室に戻ると、習慣でバッグから携帯を取り出す。
どうせ誰からの連絡もないと思っていたら、マスターからLINEが届いていていた。
『おやつ食べに来ない?
うちの新商品美味しいよ。
それから、コイツを早く引き取りに来て。
俺より料理が上手い奴ムカツク』
その後に画像が添付されていた。
美味しそうなガトーショコラが乗ったお皿と、それを今そこに置きましたっていうような手が写り込んでる。
しかも両手が……
見覚えのある大きな手と、良く見るとその後ろに黒いギャルソンエプロンを巻いた人がいる。
マスターじゃない。
このしっかりした身体つきは、華奢なマスターのとは違う。
なんでこんなガトーショコラにしかピントがあってないの?
手なんかちょっとブレてるし……
マスター写真家じゃないの?
って言うか、はっきり誰なのか言ってくれればいいのに……
携帯を投げるようにバッグに戻して、コートを羽織るのももどかしく、手に持ったまま職員室を飛び出した。
あの店に、一緒に行ったのはあの人しかいないじゃない―――