コクリバ 【完】
水の中で必死で酸素を求めるように、お互いの唇を求めあった。
辛かった6年分を埋め合わせるように抱きしめ合った。

「はぁ…はぁ…」

唇が離れた時には、もう立っていられないくらい、足に力が入らない。

先輩が私の肩を抱き引きずるように隣のベッドルームに向かう。

ドサっとベッドの上に倒され、上から先輩が覆いかぶさって、更に唇を奪われる。

「ん…待って、先輩…、待って、ください」

「なんだよ」

低い声が機嫌が悪そうに耳元で聞こえる。

「せめてお風呂に…先輩、先に入る派だって…」

「よく覚えてるな」

「はい。初めてでしたから…」

「でも今日はもう無理…」

言うが早いか、先輩は私のジャージのファスナーを下げた。
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