コクリバ 【完】
あっという間に立場は逆転してベッドに倒され、またキスから始まって思考が停止する。

高木先輩がこんなに獣だとは知らなかった。

どうしようと思っていた時、首筋まで唇が停止してうな垂れるように動かなくなった。

「どうしたんですか?」
「これ以上は無理だ……ゴムがない……」
「……なんだ、びっくりした。具合が悪くなったのかと思った」
「奈々。悪かったな。今度は箱で用意してくるな」

高木先輩の左頬が上がった…顔から、目を逸らした。

「……」
「奈々?こっち向けよ」
「なんですか?」
「俺の目を見ろ」

ダメだって、高木先輩の目を見たら白状させられてしまうんだって…

「……」

チラッとだけ見て、またすぐに天井を見た。

「おい……」

低くなった声にバレたと悟った。

それでも必死に違う方を見て誤魔化そうと考えていたら、いきなり頬を掴まれ、目の前に刑事みたいな目を突きつけられた。

「出せ」
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