コクリバ 【完】
やっぱり私はこの人が好きだ。
綺麗に折り目のついた自衛隊の制服を着た高木先輩が、私に向けて、左頬を上げている。
高校時代から変わらないその笑い方から、目が離せない。
自衛隊の制服は、高木先輩に良く似合っている。
高校時代のユニフォーム姿も、アルバイト先でのツナギ姿も格好良かったけど、自衛隊の制服姿は格が違う。
格好良い、なんて気軽に言えないくらい。
「こっちが俺のです」
入口付近で堤さんがこっちを向いて説明してくれるから、先輩から視線を外しそっちに向かった。
その時、背中を軽く押す手に気付いた。
高木先輩が私の背中に触れている。
それだけで泣きそうになる。
その後も食堂で話したり、艦内を案内してもらったりしながらしばらく大勢で過ごした後、他の見学者と一緒に艦を降りる時間になった。
出口に向かいながら高木先輩に呼び止められた。
「奈々。このあと、おまえたち、予定あるか?」
その声が聞えた他の3人も足を止めて振り返ってる。
「特には…ね?」
私が聞くと、3人の先生たちは期待の眼差しで頷いた。
「あいつらが一緒に飲みたいらしいんだけど、勤務が終わるまで待ってもらうことできるか?」
高木先輩の後ろを見ると、さっきまで話していた何人かの人たちが笑顔で頭を下げた。
「俺からも頼むよ」
高木先輩の隣りで山下さんも微笑んでいる。
「はい。もちろん大丈夫ですよ。終わったら連絡ください」
ニッコリ微笑んで答えたのは真理子先生。
綺麗に折り目のついた自衛隊の制服を着た高木先輩が、私に向けて、左頬を上げている。
高校時代から変わらないその笑い方から、目が離せない。
自衛隊の制服は、高木先輩に良く似合っている。
高校時代のユニフォーム姿も、アルバイト先でのツナギ姿も格好良かったけど、自衛隊の制服姿は格が違う。
格好良い、なんて気軽に言えないくらい。
「こっちが俺のです」
入口付近で堤さんがこっちを向いて説明してくれるから、先輩から視線を外しそっちに向かった。
その時、背中を軽く押す手に気付いた。
高木先輩が私の背中に触れている。
それだけで泣きそうになる。
その後も食堂で話したり、艦内を案内してもらったりしながらしばらく大勢で過ごした後、他の見学者と一緒に艦を降りる時間になった。
出口に向かいながら高木先輩に呼び止められた。
「奈々。このあと、おまえたち、予定あるか?」
その声が聞えた他の3人も足を止めて振り返ってる。
「特には…ね?」
私が聞くと、3人の先生たちは期待の眼差しで頷いた。
「あいつらが一緒に飲みたいらしいんだけど、勤務が終わるまで待ってもらうことできるか?」
高木先輩の後ろを見ると、さっきまで話していた何人かの人たちが笑顔で頭を下げた。
「俺からも頼むよ」
高木先輩の隣りで山下さんも微笑んでいる。
「はい。もちろん大丈夫ですよ。終わったら連絡ください」
ニッコリ微笑んで答えたのは真理子先生。