コクリバ 【完】
歩いて数分のお店にはさっき会った自衛隊の人たちが私服に着替えてそこにいた。
「じゃ、取り敢えず乾杯ね」
「やべー。原田から着信だ」
「あいつら気付いたかな?」
「でもこれ以上人数いたらうるさいっすよねー」
「原田はみかさんの連絡先ほしいって」
「呼ぶな!」
高木先輩の仲間たちはみんな楽しい人ばかりで、そう言えば高校時代の先輩の周りもこういう人たちが多くいたなと思い出していた。
「緒方さん」
堤さんがビールを持って私の前の席に移動してきた。
「今日はお世話になりました」
軽く頭を下げると、
「いえ。よかったら連絡先教えてもらえませんか?」
綺麗に微笑まれたから、何か仕事的に必要なことなのかと一瞬、手がバッグに伸びる。
その手を隣にいる人に捕まれた。
掴んでいる腕を見ると、高木先輩が切れ長の目を更に細めて睨んでいる。
「今、教えようとしてただろ」
低い声が響いた。
「じゃ、取り敢えず乾杯ね」
「やべー。原田から着信だ」
「あいつら気付いたかな?」
「でもこれ以上人数いたらうるさいっすよねー」
「原田はみかさんの連絡先ほしいって」
「呼ぶな!」
高木先輩の仲間たちはみんな楽しい人ばかりで、そう言えば高校時代の先輩の周りもこういう人たちが多くいたなと思い出していた。
「緒方さん」
堤さんがビールを持って私の前の席に移動してきた。
「今日はお世話になりました」
軽く頭を下げると、
「いえ。よかったら連絡先教えてもらえませんか?」
綺麗に微笑まれたから、何か仕事的に必要なことなのかと一瞬、手がバッグに伸びる。
その手を隣にいる人に捕まれた。
掴んでいる腕を見ると、高木先輩が切れ長の目を更に細めて睨んでいる。
「今、教えようとしてただろ」
低い声が響いた。