コクリバ 【完】
約束
腕を引っ張られるような格好で居酒屋を後にして外に出た。
出た途端、腕は離され高木先輩が先を歩く。
少し寂しさが残るけどしょうがない。と思っていたら、繁華街を過ぎたところで高木先輩が立ち止まって私が横に並ぶのを待って歩き出した。
「あの辺は他のやつらも飲みに出てるからな。少し離れたとこに行くぞ」
どうやら他の人に見つかりたくないらしい。
「堤の言ったことは気にするな」
「女遊びが激しいってことですか?」
「そんなこと言ってねーだろ」
「ふふ…山下さんからも似たようなこと聞きました」
「はぁ?なんて?」
「女の人に対してひどかったって」
「ありえねー。あのおっさんマジでありえねー」
耳たぶを引っ張りながら毒づく先輩の横顔を見ていた。
「でも、それって私のせいですよね?」
驚いた目が私を見る。
「私が裏切ったから、女の人を憎んでたんですよね?」
「裏切ってねーだろ」
「だけど、そう思ってたんですよね?……ずっと恨んでましたか?」
高木先輩は前を向き直り小さく頷いた。
「あぁ」
出た途端、腕は離され高木先輩が先を歩く。
少し寂しさが残るけどしょうがない。と思っていたら、繁華街を過ぎたところで高木先輩が立ち止まって私が横に並ぶのを待って歩き出した。
「あの辺は他のやつらも飲みに出てるからな。少し離れたとこに行くぞ」
どうやら他の人に見つかりたくないらしい。
「堤の言ったことは気にするな」
「女遊びが激しいってことですか?」
「そんなこと言ってねーだろ」
「ふふ…山下さんからも似たようなこと聞きました」
「はぁ?なんて?」
「女の人に対してひどかったって」
「ありえねー。あのおっさんマジでありえねー」
耳たぶを引っ張りながら毒づく先輩の横顔を見ていた。
「でも、それって私のせいですよね?」
驚いた目が私を見る。
「私が裏切ったから、女の人を憎んでたんですよね?」
「裏切ってねーだろ」
「だけど、そう思ってたんですよね?……ずっと恨んでましたか?」
高木先輩は前を向き直り小さく頷いた。
「あぁ」