コクリバ 【完】
いつしか海の近くの倉庫街っぽいところに来ていた。
倉庫群は改装してあって、オシャレな様子のモールみたいになっている。
その中の一軒のお店の横にある黒い鉄製の階段を高木先輩が上っていく。
先輩のあとから2階のそのお店に入ると、店内はオレンジ色のライトに包まれたオシャレなバーだった。
先輩が一番奥の窓に向いたカウンター席に座った。
その横に並ぶように座ると、黒い格子状のガラスがはめ込まれた先に、海が見えた。
「何飲む?」
オレンジ色のライトが先輩の端正な横顔を照らしている。
「じゃ、スプモーニで」
そう言うと、先輩は慣れた手つきで店員さんを呼んで、
「スプモーニとソルティドッグ」
薄く笑いながらオーダーした。
「……了解」
店員さんが微妙な間を開けて答える。
「なんだよ」
高木先輩が笑っている。
「ふっ。嬉しそうだな、高木」
店員さんはそう言い残してカウンターの中へと消えていった。
「よく来るんですか?」
「あぁ。一人になりたい時とかな」
そう言い、海の方へと目をやる高木先輩が、これまで見たことないくらい大人の男の顔をしていてドキリとした。
倉庫群は改装してあって、オシャレな様子のモールみたいになっている。
その中の一軒のお店の横にある黒い鉄製の階段を高木先輩が上っていく。
先輩のあとから2階のそのお店に入ると、店内はオレンジ色のライトに包まれたオシャレなバーだった。
先輩が一番奥の窓に向いたカウンター席に座った。
その横に並ぶように座ると、黒い格子状のガラスがはめ込まれた先に、海が見えた。
「何飲む?」
オレンジ色のライトが先輩の端正な横顔を照らしている。
「じゃ、スプモーニで」
そう言うと、先輩は慣れた手つきで店員さんを呼んで、
「スプモーニとソルティドッグ」
薄く笑いながらオーダーした。
「……了解」
店員さんが微妙な間を開けて答える。
「なんだよ」
高木先輩が笑っている。
「ふっ。嬉しそうだな、高木」
店員さんはそう言い残してカウンターの中へと消えていった。
「よく来るんですか?」
「あぁ。一人になりたい時とかな」
そう言い、海の方へと目をやる高木先輩が、これまで見たことないくらい大人の男の顔をしていてドキリとした。