コクリバ 【完】
バスケ
高木先輩と付き合うことになったからと言って、これまでの生活が劇的に変化するということはなく
先輩は部活で休みもなかったし、私も誰にも言わずに過ごしていたから、ほとんど接点がなかった。
たまにすれ違う時に、目が合って左頬で笑われるくらいで……
でも私には、その反応ですら刺激が強くて、高木先輩を見かけるといつも頬が熱くなった。
そんな自分は嫌いだったけど
そうしているうちにバスケのインターハイ予選の決勝リーグが今週末に迫った。
勝てば県の代表としてインターハイ出場。これはわが校バスケ部の悲願らしい。
負ければ高木先輩たち3年生は引退。
なんとしても応援に行きたいとこだけど、試合は私が住んでいる市とは真逆の場所で行われるから、行けないと諦めていた。
ところが……
「おう。奈々ちゃん、おかえり」
「菊池さん。お久しぶりです」
「奈々ちゃん。お帰りー」
「中山さん。こんにちは」
家に帰ると、例のごとく兄の友達が来ていた。
「奈々。明後日、泊りで出かけてくるから」
兄が旅行なんて、珍しい。
「どこ行くの?」
「バスケの応援」
「えっ……高校の?」
「そう。菊池の弟も出るし、なぁ」
菊池義人と雅人の兄弟は、小学生の頃から遊んでた仲。
兄の菊池義人は、私の兄・智之と幼なじみで、
その二つ下の菊池雅人は、高3でバスケ部。高木先輩のチームメイト。
「奈々ちゃんも来る?」
中山さんが軽いノリで聞いてきた。
「行く!」
やった。これで高木先輩の応援に行ける。
「は?」
浮かれた私に水を差すのは兄。
思いっきりこっちを睨んでる。
だけどそんなこと気にしてたら応援に行けないから、
「私も一緒に行きます!」
高らかに宣言した。
先輩は部活で休みもなかったし、私も誰にも言わずに過ごしていたから、ほとんど接点がなかった。
たまにすれ違う時に、目が合って左頬で笑われるくらいで……
でも私には、その反応ですら刺激が強くて、高木先輩を見かけるといつも頬が熱くなった。
そんな自分は嫌いだったけど
そうしているうちにバスケのインターハイ予選の決勝リーグが今週末に迫った。
勝てば県の代表としてインターハイ出場。これはわが校バスケ部の悲願らしい。
負ければ高木先輩たち3年生は引退。
なんとしても応援に行きたいとこだけど、試合は私が住んでいる市とは真逆の場所で行われるから、行けないと諦めていた。
ところが……
「おう。奈々ちゃん、おかえり」
「菊池さん。お久しぶりです」
「奈々ちゃん。お帰りー」
「中山さん。こんにちは」
家に帰ると、例のごとく兄の友達が来ていた。
「奈々。明後日、泊りで出かけてくるから」
兄が旅行なんて、珍しい。
「どこ行くの?」
「バスケの応援」
「えっ……高校の?」
「そう。菊池の弟も出るし、なぁ」
菊池義人と雅人の兄弟は、小学生の頃から遊んでた仲。
兄の菊池義人は、私の兄・智之と幼なじみで、
その二つ下の菊池雅人は、高3でバスケ部。高木先輩のチームメイト。
「奈々ちゃんも来る?」
中山さんが軽いノリで聞いてきた。
「行く!」
やった。これで高木先輩の応援に行ける。
「は?」
浮かれた私に水を差すのは兄。
思いっきりこっちを睨んでる。
だけどそんなこと気にしてたら応援に行けないから、
「私も一緒に行きます!」
高らかに宣言した。