コクリバ 【完】
大盛り上がりの大応援団の中、私たちも跳ねあがって喜んだ。
ついに決勝リーグ。
どんなに高木先輩は喜んでるだろう。
応援席では午後からの試合に備えてそれぞれが休憩を取ってゆっくりしている。
そんな中、突然後ろの方が騒がしくなった。
振り返るとさっきまで試合に出ていた選手たちが、ギャラリー席まで上がってきていた。
もちろん高木先輩も。
周りの応援団に挨拶しながら徐々に近付いてくる高木先輩。
私の鼓動も同じ速度で早くなる。
先輩、応援に来ちゃいました。
いくらみんなには内緒でも彼女なんだから、私が応援に来たことを喜んでくれるだろうと思っていた。
でも……
高木先輩や菊池雅人が兄たちOB軍団に気付き、応援団の後ろを通って私たちに近づいてきた。
「よ!おめでとう!」
「インターハイ行けよ!」
「おまえら強いなー」
なんてOBたちの声に頭を下げている。
高木先輩も、兄たちの前に立って話している。
でも、その斜め後ろにいる私には気が付かない。
ちらちら動いて存在をアピールするけど、視線一つこない。
そうしているうちに
「じゃ、行きます」
「おう、頑張れよ!」
行ってしまった。
もともと、彼女なんて立場に慣れていないけど、
高木先輩の雄姿を見て気後れしてるけど……
私がいることにくらい気付いてほしかった。
ついに決勝リーグ。
どんなに高木先輩は喜んでるだろう。
応援席では午後からの試合に備えてそれぞれが休憩を取ってゆっくりしている。
そんな中、突然後ろの方が騒がしくなった。
振り返るとさっきまで試合に出ていた選手たちが、ギャラリー席まで上がってきていた。
もちろん高木先輩も。
周りの応援団に挨拶しながら徐々に近付いてくる高木先輩。
私の鼓動も同じ速度で早くなる。
先輩、応援に来ちゃいました。
いくらみんなには内緒でも彼女なんだから、私が応援に来たことを喜んでくれるだろうと思っていた。
でも……
高木先輩や菊池雅人が兄たちOB軍団に気付き、応援団の後ろを通って私たちに近づいてきた。
「よ!おめでとう!」
「インターハイ行けよ!」
「おまえら強いなー」
なんてOBたちの声に頭を下げている。
高木先輩も、兄たちの前に立って話している。
でも、その斜め後ろにいる私には気が付かない。
ちらちら動いて存在をアピールするけど、視線一つこない。
そうしているうちに
「じゃ、行きます」
「おう、頑張れよ!」
行ってしまった。
もともと、彼女なんて立場に慣れていないけど、
高木先輩の雄姿を見て気後れしてるけど……
私がいることにくらい気付いてほしかった。