コクリバ 【完】
「この前、断ったよね?
なんで二人でって言わなかったの?」
「だってさー、オサムッチが、4人の方が絶対楽しいって言うから……
夏祭りだよ。4人の方が楽しい気がしない?」
ただでさえ目が大きい絢香が、その眼をキラキラさせている。
頭が痛くなってきた。
恋する乙女は、相手の意見は絶対らしい。
「無理だよ……」
小さく呟くと、ともちゃんが助けてくれた。
「じゃあさ、当日、奈々ちゃんは風邪ひいたら?」
私と絢香は同時にともちゃんを見た。
そっか、その手があったか!
「そうだね。3人で行ってきなよ」
「え~。でもそれじゃ吉岡が可哀想じゃん」
私は可哀想じゃないのかよ。
「大丈夫だよ。吉岡君も気を利かせてくれるって」
ともちゃんのその一言に、絢香は「え~、そうかな~」と、照れていた。
だから私は、絢香たちが夏祭りに行く日は、誰にも目撃されないようにするという約束をした。
そうしたのは、もちろん私も頼みたいことがあったからで……
「絢香。美術部の合宿さ、泊りってことにしてくれない?」
「え?誰に?」
「うちの親に……」
「いいけど……なんで?なんで?えー!ねぇ、なんで?」
「……」
絢香の大きな目に圧倒されて何も言えなくなる。
「えー!高木先輩?高木先輩なの?泊まるの?」
「奈々ちゃん!」
ともちゃんまで、頬をピンクにして聞いてきた。
私は顔を隠して、首を縦に動かす。
「え!マジで?マジ?奈々、マジ?」
絢香は一人興奮していて、ともちゃんも「キャー」と叫んでいた。
なんで二人でって言わなかったの?」
「だってさー、オサムッチが、4人の方が絶対楽しいって言うから……
夏祭りだよ。4人の方が楽しい気がしない?」
ただでさえ目が大きい絢香が、その眼をキラキラさせている。
頭が痛くなってきた。
恋する乙女は、相手の意見は絶対らしい。
「無理だよ……」
小さく呟くと、ともちゃんが助けてくれた。
「じゃあさ、当日、奈々ちゃんは風邪ひいたら?」
私と絢香は同時にともちゃんを見た。
そっか、その手があったか!
「そうだね。3人で行ってきなよ」
「え~。でもそれじゃ吉岡が可哀想じゃん」
私は可哀想じゃないのかよ。
「大丈夫だよ。吉岡君も気を利かせてくれるって」
ともちゃんのその一言に、絢香は「え~、そうかな~」と、照れていた。
だから私は、絢香たちが夏祭りに行く日は、誰にも目撃されないようにするという約束をした。
そうしたのは、もちろん私も頼みたいことがあったからで……
「絢香。美術部の合宿さ、泊りってことにしてくれない?」
「え?誰に?」
「うちの親に……」
「いいけど……なんで?なんで?えー!ねぇ、なんで?」
「……」
絢香の大きな目に圧倒されて何も言えなくなる。
「えー!高木先輩?高木先輩なの?泊まるの?」
「奈々ちゃん!」
ともちゃんまで、頬をピンクにして聞いてきた。
私は顔を隠して、首を縦に動かす。
「え!マジで?マジ?奈々、マジ?」
絢香は一人興奮していて、ともちゃんも「キャー」と叫んでいた。