「ああ、もうっ折角綺麗に決めてきたのに..」


不貞腐れる私の今の状況


自転車で来たおかげで前髪はくしゃくしゃ折角巻いてきたのに!


なんでこんなに身だしなみに気合を入れてるかって?


それには訳があるの...


私には今まで恋愛というものをしたことがない..あ、いや正確には彼氏が出来た事がない


だから高校二年生の今、彼氏を作ろう大作戦決行ってわけよ!


かと言ってクラスでは仲良い子と固まってばかりでイケイケ系と話すのも緊張する地味子ですけどね


「ふう、もう二年生も慣れてきた..後輩が出来て私ももう先輩」


二年生になって早1週間
特別に何か起こったかと言ったらそうじゃない


あ、強いて言えば去年から仲良かった沙羅とまた同じクラスになれた事かな


だから今のクラスもすっごく楽しいんだ


「あ、沙羅おはようっ」


電車通学の沙羅は一足早く既に教室に着いていた親友と言っても過言ではないこの子は

篠崎沙羅 -Shinozaki Sara -


「萌!おはよう昨日のあれ見たぁマジかっこよかった..」


沙羅の好きな俳優さんの話を永遠と聞かされてるこっちの身になってほしい


だって私その人興味ないんだもん
今人気みたいだけど理想が高すぎて芸能人でさえしっくり来る人が居ない


そんなんだから私の青春もすぐに過ぎ去る..

そんなのわかってるよぉ〜..


「はい、みんな座れッ!始めるぞ〜」


学校1のイケメン先生が入ってくる

2年連続この先生とはありがたい...なんて先生にときめくなんてないない


つまらない授業が次々に進み気づいた時にはお昼だった


「萌、お昼購買で何か買わない?付いてきて!」


大好きな沙羅に言われちゃ断れないや..私も何か買おう


財布を手に取り教室から食堂を目指す


とその時歩いてた私に誰かが勢いよくぶつかってきた


「ったぁ、..」


ぶつかってきた方を向くとそこには..


「あ、.. うそ .. 」


私は言葉を失う..そこには


「あ、ゴメンね大丈夫だった?私の不注意で」


向こうが心配そうに謝ってきた
ショートカットで少し焼けた肌


「あ、えっと大丈夫..です」


間違いなくこの人は私の初恋の先輩奏太くんの元カノさん


同じ学校だったんだ..一年もこの学校に居たのに気づかなかった..


「あ、私急いでるの。もう行くね!」


嵐のように過ぎ去った元カノさん



同じ学校..んーん、もう違うの好きじゃないっもう好きじゃないんだもん



高校に入ってから忘れかけてた遅咲きの私の初恋今思い出してしまった



あーもう、考えるのやーめっぴ
忘れた忘れたあ〜



「待ってよ沙羅!」



先に行ってしまった沙羅の後を追った
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