「おっちゃん、からあげひとつ!」


沙羅の元気な声が食堂中に響き渡る
昼間からからあげとはやるね〜


「萌は何か買わないの?」


何も買おうとしない私に向かって沙羅が言う


「あ、私はいいや買わないっ」


明らかにさっきの事で動揺して食欲なんてあるわけない


私がどうしてこんなにも落ち込んでるかなんて私自身でもわからない


だってもう好きじゃないんだもん


何度目かわからない決意を心に埋め込み
そそくさと教室に戻った


「ねえねえ、今日って次何だったっけ?」

「今日?今日はもう授業ないよ後は掃除だけ。」


え、っ掃除だけ?ラッキー早く帰れるじゃん!


盗み聞きをして1人で幸せに浸っているといつの間にかお昼の時間が終わっていた


「..うわぁぁぁん沙羅ぁどうして掃除場所違うのおぉぉ」


沙羅にへばりつく私を鬱陶しそうにはがす沙羅


「掃除くらいいいじゃない、はいはい頑張ってこい」


半ば無理やり掃除場所に行けと念を押され仕方なく来てみたはいいものの


なんで私が資料ばかり置いてある会議室の掃除なんか...


って、



「なんでええええええええ」



うわあ、やっちゃった大きな声出しちゃったはっずかしい..



なんてそんなのはどうでもいいの
何があれってだってそこには



「相棒くん...」



相棒くん事初恋の人の相棒..いーや親友の中村くんが居た



なんでこんなに今日はついてないのさ!
いや、知ってましたよ知ってました


君がここの学校だって事は知ってたけど
まっさか2人っきりになるとは


これから掃除が苦痛だ ...


特に話す事なんて無くて私ばっかり意識してるみたいで馬鹿みたいだけど


でも先輩も明らかに気づいてる私があの時の女だって..



き、気まずすぎる....
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