好きな人の弟を、利用した
佑くんは私から目を逸らして、歯を食い縛り、何かに耐えている様だった。

悲しい様な、怒ってる様な、なんとも言えない表情。

「佑……くん……?」

再度呼び掛けると、「……あの」と言う声が、微かに聞き取れた。

「ん?なに?」

少しだけ耳を佑くんの顔に寄せる。
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