好きな人の弟を、利用した
「…………」

「…………」

横目で佑くんを見ると、黙々とミートソーススパゲティを食べている。

(どうしよう……)

今、本当の事を言ってしまおうか。

幸い、ここには私達二人しかいない。

絶好のチャンスではなかろうか。

今、この時を逃したら、ずっと言えない気がする。

(言っ……ちゃおうか……)

嫌われても、軽蔑されても良い。

これ以上、後戻り出来なくなる前に。

私は、タマゴサンドをお茶で無理矢理胃に流し込み、ドキドキする心臓を手で押さえて、数回深呼吸をし、よしっ!と意を決した。
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