好きな人の弟を、利用した
「……お昼時間……終わってしまいます、よ……?」

「…………」

佑くんに言われて腕時計を見ると、午後の仕事開始まであと、7分。

「あ、わっ!」

私は慌てて残っているサラダを口の中に押し込む。

「……僕…先に行きます…ね……」

「え…あ、待っ……!」

佑くんは後片付けをササッと済ませ、一人、屋上を去って行った。

「…………」

お、置いてかれた……。

ガクッと、肩を落とす。
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