好きな人の弟を、利用した
「……もーーっ!!」

頭を、グシャグシャっと掻きむしる。

また、言えなかった。

「なんだよーピクニックて……私の意見は無視かよー……そんで話聞いてよー……」

デートの時も思ったけど、この強引な所、どうにかならないの?

「はぁ……」

食後のデザートに買ったシュークリームの袋を開けようとしたら、

『キーンコーンカーンコーン』

お昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。

「え……?あ!そうだった!」

もう時間がないんだった。

悠長にシュークリームなんて食べてる暇はない。

慌ててゴミを片付けて、慌てて屋上から飛び出した。
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