好きな人の弟を、利用した
数分歩いた先に、見覚えのあるチョコーレート色の一軒家。

小走りで近付くと、もう夜だと言うのに、堂々と咲き誇っている花達。

入り口には、温かみのあるランタンの灯りが点っていて、ドアノブにぶら下がっているプレートには、『open』の文字。

「やっぱり、まだ開いてた……」

あの人なら、何か良いアドバイスをくれるかもしれない。

全部話す事になるけど……。

「……よしっ!」

深呼吸をして、腹をくくった。

ドアノブに手をかけ、その入り口を開ける。

すがって辿り着いたのは、ハナちゃんさんのお店だった。
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